今回の問題は、2021年算数オリンピック予選問題です。
 はっきり言ってこれは超難問です!

以下の解説では、三角形ABCのことを△ABCと記すことにします。


なお,前回と同様にスマートフォン,タブレット等で図形が縦長に表示される方は,お手数をおかけしますが画面を縦横回転してご覧ください。

【解説】
まずは、図1のように角度を書き込んでみましょう。
条件より、角ADE=角AED=角ABC=角ACB=45度です。
AとMを結ぶと、△ABMと△ACMは合同な直角二等辺三角形で、角AMBと角AMCは直角、角ABM=角BAM=角ACM=角CAM=45度、AM=BM=CMです。
また、AMを延長して、辺DEとの交点をHとすると、△ADHと△AEHも合同な直角二等辺三角形です。

yt-cha-a02-1.png

角度を書いていってわかることはここまでです。
角度の応用問題にありがちな、正三角形は見つからなかったので、何か別の図形を見つけ出す必要があります。
図の両はしにはそれぞれ、45+9=54度があります。
54×2=108度...これは「とある有名な図形」の内角ですね。
そこで、図2-1のようにAHで図形を真っ二つに切り、図2-2のようにはり合わせてみます。
(右半分の図形を、Aを中心にして90度回転させたイメージです)
移動後の点C・Eはそれぞれ点B・Dと重なります。また、移動後の点G・H・MをそれぞれG'・H'・M'とします。

yt-cha-a02-2.png

図3のように、MとM'を結んでみます。
長さと角度の関係より、四角形M'BMAは正方形ですから、対角線の長さは等しく、AB=MM'です。
五角形DFMM'G'は、すべての辺の長さが等しく、角G'DF=108度、角DFM=角DG'M'、角G'M'M=角FMM'ですから、正五角形であることがわかります!
正五角形の内角はすべて108度ですから、角FMM'も108度です。

yt-cha-a02-3.png

ここまでくれば、あとはかんたんですね。
角FMH=180-(108+45)=27度ですから、答えは27×2=54度です。


【解答】
54度


算数オリンピックは、実は土佐塾の教員が作成した問題もあります。
(今回の問題は違いますよ)
いずれ、その問題も紹介するかもしれません。