皆さんは「敷衍」という熟語を読めますか。

「ふえん」と読んで、もとのおし広げるという意味から、広くくわしく説明するという意味でよく使われます。昔は大学入試なんかでよく聞かれた言葉です。今は漢検で聞かれたりする程度でしょうか。

 この「衍」という漢字、面白いですね。部首は何だかわかりますか。もちろん「ぎょうがまえ」です。ただ「ぎょうがまえ」に「さんずい」がはさまれているという形がいいですね。

そもそも「さんずい」があってもそれが部首にならない漢字はたくさんあります。例えば「家計簿」の「簿」。「さんずい」はありますが、この漢字の部首は「たけかんむり」ですよね。ただ「衍」の字は「ぎょうがまえ」に「さんずい」がはさまれている美しい漢字です。

美しい? そうですよね。数学者がよく数式を美しいと言いますが、一般人にはそれが理解できないように、漢字マニアでなくてはこの漢字が美しいとは感じないですよね。

だだ、漢字を見ていくと面白いものがたくさんあります。マニアでなくとも、興味をもって漢字に接してもらえればと思います。

まずは第一歩。自分が好きな漢字、美しいと思う漢字を考えてみてください。